あ、それ仏教用語です その4
わたしたちは日常において意識せずに『仏教用語』を使っています。
今回は4回目になります。(過去の記事はこちら)
次の文章に仏教用語が5つ隠れていますので探してみていただければ幸いです。
住職のつぶやき作文(仏教用語5つあります)
落語にはよく おばかなことばかり
しでかす主人公が出てきます
どうにか楽に身銭が入らないかと
横になって考える はっつぁん
「これだ!」と起き上がり
商人の大旦那の元を訪ねて
おおぼらを吹いてお店を空にさせたところで
ばれないくらいのお金を懐に入れようと企てる
しかしながら おばかな嘘ばかりで
すぐに大旦那に見透かされてしまう
そこでコケにされるだけでなく
町の笑いものとなってしまうのでした
かくれていた仏教用語の解説
その1「ばか」
この語は、梵語mohaモハー(漢語で莫迦等と訳す)から転訛したものです。お釈迦様の教えを聴いても理解できず、何が正しいか判断できない愚かなものという意味があります。
その2「主人公(しゅじんこう)」
仏教語でいう主人公とは主体的な人格のこと。瑞巌和尚は、毎日自分自身に向かって「主人公」と呼びかけ、また自分で「ハイ」と返事をしていました。「はっきりと目を醒ましているか」「ハイ」「これから先も世間に騙されなさんなや」「ハイ、ハイ」と、ひとり言をいわれたように。自分の中にいる本当の自分を表す意があります。
その3「旦那(だんな)」
「ダンナさま」といえば、主人、夫、お客のことなど、その意味はさまざまです。檀那(旦那)の語源はインドです。サンスクリット語の「ダーナ」を漢字にするとき、音で「旦那」、意味で「布施」と訳しました。ですから、旦那と布施は同じ「ほどこし」という意味です。しかし、旦那は、やがて、布施をする人を指すようになりました。法施をする寺を「檀那寺」、財施をする家を「檀家」と呼んでいます。やがて檀那は、仏教以外でも使われるようになり、金銭や物品をほどこしてくれる人を、誰でもダンナと呼んで、現在使われるようになったようです。
その4「法螺(ほら)を吹く(ほら)」
「ホラを吹く」といえば、嘘をつくという意味に使われていますが、お釈迦さまの説法のことを「大法螺を吹く」とも言います。ここでいう「螺」とはホラ貝です。インドでは、人を集めるときにこれを吹きました。 その音が遠くまで響き渡ることを仏の説法の偉大さの表現としたようです。経典に「大法雨をふらし、大法幢を建て、大法螺を吹き、大法鼓を撃ちたまえ」 とあります。 いつしか「お釈迦さまのような偉そうなことを言う」という皮肉で使われるようになったようです。
その5「虚仮(コケ)
「こけにする」はバカにするという意味がありますが、これは本来の意味ではありません。
「虚」は虚妄、偽り、からっぽを意味し、「仮」も真に対して実体のないことを意味する。
つまり、虚仮とは「真実に反し、虚しい仮のもの」という意になります。
さて、今回はいかがでしたでしょうか。
まだまだ日常に仏教語は隠れているようですので、またの機会にご紹介させていただければと思います。
南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏