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なるほど、令和の大仏造立プロジェクト

師走です。2020年は皆さまどのような1年でしたでしょうか。諸行無常とは知りながらも、ここまで生活様式が変化するとは想像つかぬ日々。お寺はご高齢の方も多くお見えになる場所ですので私自身、対策に抜かりなく過ごすことに終始した一年となった気がします。

コロナ禍以来、お寺で自由にお茶をできる寺ピアノの中止を決断したり、ご法事の後席や友人との会食も辞退しています。こんなに寂しいことはありませんね。自身がかかり大事に至る心配はあまりしていませんが、無症状のままどなたかに無自覚にうつしてしまう可能性がある怖さが先立ちます。しかしながら、止まない雨はないように、マスクを外せる日が来ることでしょう。それまでおかげさまで日一日を積み重ねてあゆませていただいていることにまず感謝して参りたいものです。

さて、芸術家としても活動している北海道の僧侶 風間天心さんがワゴン車に仏像を乗せて「勧進キャラバン」と銘打って全国を行脚しています。コロナ禍のなか、新たな世へ歩み出すシンボルとなる「コロナ大仏」の造立資金を集めているのです。

古来日本では、大きな疫病や飢饉、災害が蔓延すると、祈願のために巨大な大仏を造立されてきました。それが実現した背景には勧進聖(かんじんひじり)と呼ばれた僧侶が旅をしながら資金を集めていたそうです。

また風間さんが言うには「奈良の大仏と同じように、見る人に安心感を与えたい」との願いも込められています。かつて奈良時代に聖武天皇が疫病や天災によって混乱していた世の中に安寧をもたらすために東大寺に大仏の造立が命じられました。それが今の奈良の大仏として地域の方のみならず皆に親しまれているのはご周知のとおりです。

国が主体となった政策ではないため、規模は小さくなりますが、全国を周遊しながら、縁ある方々の協力を得て造立を目指しています。風間さんは曹洞宗の僧侶だが、この活動は宗派の枠を超えて広がりを見せています。なお、各宗派の教えの源になったお釈迦様のお姿を大仏にする予定とのこと。

私も「なるほど、確かに大仏さまはこのような時にこそ、造立されるものなのかもしれない」と妙に納得感がありました。向源という仏教のイベントでご縁頂きました知人僧侶の壮大なる活動を微力ながら応援していこうと思います。なお完成は2021年末の予定です。

<活動の詳細はこちら>
#令和の大仏 コロナ大仏造立プロジェクト

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